一見さんお断り?何を買えばいいかわからない、ある売り場。

4缶で598円(最近缶詰も値上げの波に押されています)
特価だと400円位になります。

あなたが最後にツナ缶を買ったのはいつですか?
私はそれがいつだったか忘れてしまうほど、ツナ缶を買っていなかったのですが、
先日、ツナ缶を買うおつかいをすることになりました。

何も考えずに、あるものを買えばいいやくらいの気持ちでいたのですが、
売り場の前に立って、ふらついてしまいました。
何を買っていいのか判らないのです。

ただのツナ缶と思っていたら、

・オイル
・油漬け
・ノンオイル
・スーパーノンオイル
・食塩不添加
・ライト1/2
・えごま油
・低脂肪
・ツナの種類=まぐろでも、ビンナガマグロかキハダマグロか
・他の素材(ブリ、かつお)

パッと見ただけで、10種類以上あります。

メーカー4社ほどありますが、似た商品もあり、どこが違うのか判りません。
(バリエーション)✕(メーカー)で、軽く20種類位になります。

当然、迷います。


間違って買って、使い道が判らなかったり、なんか違うなーと思いながら料理するのは嫌ですし、
家の不良在庫になるのも数百円とはいえ、気が進みません。

いつも買っている人は、慣れていて、迷うこともないと思いますが、
パスタとか、チーズトーストに合わせてみたりというイメージで、ツナ缶売り場と向き合うと、

正解が判らん

となってしまいます。
そして、私は、一旦売り場を離れました。
売り場、お店の立場に立つと購入意向を持って売り場に来てくれたお客様へのセール機会を逃したことになります。
(そして、こういう行動はデータになりにくく把握が難しいのです。)

もし、ツナ缶売り場に、特徴の説明や使い道に応じたチャート表があれば、
きっと売り場を離れずに買っていたと思います。

こういう時に重要なのは、売り場を盛り上げる企画を考え、音頭を取って、つなぐ存在です。
放っておいても市場規模が拡大する時は、企業間の競争が売り場をにぎやかにしますが、これからしばらくの社会は縮小モード(過去記事参照:社会という市場が6割引きになる日)なので、競争だけしていると、市場ジャンルそのものが弱ってしまいます。

市場の持続的発展のためには、ツナ缶売り場に新しいお客を呼ぶ、立ち寄るきっかけをつくることがとても重要になるわけですが、そういう中で、売り場で迷わせないことがこれまでになく重要になっているなと思いました。

売り場から逃げた私がどうしたかと言うと、特売パックを指示されて、再度、買い物に行きました。
しばらくは、ツナ缶に親しむ日々になりそうです。

ツナ缶のツナでパスタをつくりました。ツナ缶のオイルも全部使います。
にんにく、オリーブ油、玉ねぎ、わずかに醤油、好みで粗挽き胡椒を加えます。
最後に、大葉とディル、パルメジャーノ・レッジャーノを削って出来上がり。


書いた人
iwata-kaukoto
iwata-kaukoto
お菓子や自動車などの販売促進の取り組みから課題解決を指向する中で営業戦略、経営企画にも対応してきました。そして、ものやサービスが売れるようになるには、社会のデザインが重要だと考え、慶應義塾大学大学院で合意形成、政策形成に関わるコミュニケーションを研究開発。
テレビや新聞での実験的な取り組み、自治体での先進事例をつくっています。KAUKOTO.jpでは編集長として「売ること」「買うこと」の可能性を探っていきます。
好きな作家:筒井康隆、星新一、小松左京、かこさとし、永野護

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